東京高等裁判所 昭和58年(ネ)1472号 判決
本件記録によると、昭和五六年一一月二六日午後三時の原審第二八回口頭弁論期日において実施された証人本川正義の証人調査には裁判長の認印を欠くことが明らかである。裁判長の認印は、調書の記載につき裁判長が認証するためのものであるから、調書の有効要件というべく、これを欠く調書は無効というべきである。しかし、口頭弁論期日において証人尋問がなされた場合に、証人調書に裁判長の認印がなくとも、右証人調書と一体をなす口頭弁論調書に裁判長の認印があるときは、全体としての一口頭弁論調書に裁判長の認印があるものとして、この点に関する調書の有効要件は充たされるものと解するのが相当である。
(近藤 林 渡邉)